少年期の終わりに
琴久は今は13才。鳥のような高い声が出て、声楽家である母親の練習をあざ笑うかのようにカラカラと真似をして歌ったりしていましたが、すでに声変りしてしまい、もはやその驚異的な高い声は生では二度と聴くことは出来ません。
ボーイソプラノは、変声の直前に最もよく響くと言われています。昔はこの時期の声をこのままカストラートという去勢した状態で半永久的に保存しておきました。現代はCDなどで保存できるので、私は声変りするまでに、ことあるごとにPCに様々な声色を録音してました。
私、上野哲生は「カテリーナ古楽合奏団」と「ロバの音楽座」という古楽器のグループのメンバーの一人であります。重ねて作曲・編曲家であり、自宅録音マニアであり、家の中だけでもCDのマスタリングまで持っていける環境にあります。そのことはつまり、私の持っている環境を最大限利用して、この野生音楽児の被写体の材料をどう料理して面白い作品に仕上げることになるかが、このCDの最大のポイントかもしれません。
これはその貴重な少年期の声の燃えつきるパフォーマンスの記録であり、ボーイソプラノ的な高い発声だけでなく、この時期の声の様々な表現の可能性にチャレンジもしています。古楽器の演奏家でもありますので、得意の古楽器群もたっぷり使っていきますが、なによりジャンルにはまらない自由なアルバム作りをしたいと思っています。中には即興的に発した声のフレーズを集めてコラージュしたような作り方の作品もあります。
琴久はこの録音で疲れたのか、今後はもはや歌わないと言っています。何れにしてもこのような録音はおそらく最初で最後であり、大人になって録音をする時はもはや別人なのです。
いろいろCD製作会社を探しましたが、内容に自信はあるのですが知っている曲が多い訳でもなく、多分に実験的でもあり、まとまりよりも自由に一切合切を詰め込んだようなものは、面白い部分がそぎ落とされてしまう可能性もあります。今の形を崩さないためにも、自主製作でスタートする事にしました。
今回、ロバハウスの協力を得てクルムホルンCDのページから購入が可能となります。どうぞみなさん、応援して下さい。感想のBBSも用意しました。よろしくお願いします。
上野哲生
★小学四年生の琴久が初めて人前でBoySoprano風の声を聴かせた時の映像が見つかりました。これを期に本格的に歌わせてみようと思うきっかけとなったコンサートです。 こちらへ
QuickTime7が必要です(ダウンロードはMac→ Win→)
● ドイツのボーイSpCD販売サイトPascal More´から要望により「囀り(さえずり)」が販売される事になりました。
ヨーロッパや海外の方々はこちらから簡単に手に入れる事ができます。デモmp3も充実しています。
●イギリスでもアルファレコードというSpCD販売の業者の方が「囀り(さえずり)」を販売しています。メール注文となります。
Frank edmonds Alpha records Ltd 78 York Street -- Suite 179 -- London W1H 1DP England
|